ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】



シンは、おかーさんから何も聞かされなかったのか、広瀬川の灯ろう流し大会での出来事には全く触れなかった。


着物の着付けと茶道習いに水嶋家に行ったトキも、

「ヘンな男がきて大変だったけど、何もなくて良かったわ」
と、あっさり。

………そうよね。
実の娘じゃないし。
ましてや一人息子の嫁になる女だし。

そう考えると、虚しいものがあるなぁ………。

ホントに歓迎されてるのかな?
この前の新盆での親戚たちにしてもそうだけど………不安。




―――――シンと逢う時間が取れるようになったかと思ったら、今度は10月の二次試験の為、また逢えない日々が続いて………。


そうこうしてるうちに、仕事では、いずみさんが独立のためにM-Blowを辞め、アタシはチーフに。

やっぱ、ホントだったんだぁ………と改めて実感。


チーフになってから。
仕事の日は、一日中休まる時間なんてなくて。

先輩からの嫌味もちょこちょこ復活してきたりあってウンザリだし。

変な緊張ばっかりしちゃって、なかなか思うようにいかない。


休みは休みで、身も心も疲れ果てて、死んでた―――――


アタシ、チーフなんて務まるのかな?