「俺の顔ばっかり眺めて………もしかして、見とれてる?」
「ばっ………違うって!!」
バカって、思わず吐きそうになったのを無理矢理飲み込む。
「衣理。眺める相手が違うだろ?………それよか彼氏から連絡は?」
「ううん………」
ケータイ握り締めてシンからのメールなり電話なり待ってるんだけど、来る気配なし。
………忙しいのかな?
遅くなるって言ってたからなあ………。
メールや電話来ない日がざらだから、今更驚くコトじゃないんだけど………。
“今夜はシンからの連絡はこないで”……って、思うのはイケナイコトだよね………?
今夜は、ノブが、ただこうして傍らにいるダケでいいから………。
もう少し、ノブを知りたい………。
「―――――あれ?衣理ンちって、市立図書館の近くだっけ?」
「ん………」
あの角を曲がると市立図書館。
アタシの家は図書館から歩いて3、4足らず………。
ここでバイバイだね、ノブ。
ちょっと寂しい………。
今夜はノブに助けられた。
まさか灯ろう流しの会場で会うとは思わなくて………。
車中でアタシの話、沢山聞いてくれて、沢山頷いてくれて、沢山アドバイスくれた。
同じ歳なのに、10歳くらい先輩みたいなコト言ったりして………。
でも、ノブ。
逞しいよ。
「ありがと………ココで大丈夫だよ。今日は本当にありがとう………」
図書館前の路肩に停め、ハザードランプを点ける。
「あんまココ街灯ないけど大丈夫か?家まで送るよ?」
「だ、大丈夫だから…アリガト……ノブ………」



