アタシが、シンのコトで逢えないトカワガママ言っていられるうちは、まだ幸せなんだって、思い知らされる―――――。
「………帰ろうか」
「………ん………」
「衣理、ウチまで送ってくよ………」
「いいよ………大丈夫。一人で帰れるから………」
「いつまたその鼻緒切れるかわかんねぇし………」
俯いてたアタシは、咄嗟にノブの顔を見た。
「………だってノブ、蔵王に帰るんでしょ?」
「いや………俺、明日休み。今夜は七ヶ浜の実家に帰るから………」
「でも………」
アタシの住む多賀城市の隣に、ノブの実家がある七ヶ浜町がある。
でも―――――
もし、誰か知り合いに見つかったら、誤解されたりして………。



