―――――花火が終わり、次々と灯ろう流しに来ていたお客さんが帰って行く中、アタシたちはその場所にいた。
手は繋がれたまま。
アタシからそっと解(ほど)けばいいのに、ノブのキモチを考えると、解くコトを出来ずにいた。
「―――――あ」
声が漏れたと同時に、繋がれた手が離れた。
「ゴメン…衣理。俺―――――」
「―――――大丈夫………解ってる。茉莉子さんのコト、考えてたんでしょ………?」
ノブのコトバを遮るように、アタシはコトバを被せた。
別に、意識的にしたつもりはなかったんだけど………。
「衣理は衣理なのに………あはっ。バカだな俺………情けねぇの………」
「そんなコト、ないよ………」
うん。
そんなコト、ない。
ノブが、茉莉子さんのコトを想って花火を見ていたように。
アタシも、隣でアタシの手を繋ぐノブのコト考えていた。
ノブ。
もっと、茉莉子さんと一緒に居たかったんだろうね。
手を繋いで、花火デートとか。
カフェでコーヒー飲みながら、他愛のない話したり。
海まで、ノブのバイクで走り抜けたり………。
ノブは、互いの想いが通じ合えたトキはもう遅くて。
茉莉子さんはもう、この世界には存在しない。
永遠に変わらない女性(ひと)―――――



