「―――――はあ~っ。やっと二人きりになれたな……ってか、ホントに此処に泊まっていいのか?」
「………ん。だって淳子さんが………アタシとシンへの婚約祝いだって………」
「………まだ結納してねぇけどな」
あははって苦笑いしながら、扉に一番近いダブルベッドにダイブ!!
ふわふわの枕を胸元に抱きかかえ、背の高い身体を丸める。
その姿はまるで、胎児のよう。
なんか………愛しく思える。
アタシは、シンが抱きかかえる枕の側に、ちょこんと腰をかけた。
―――――“チャコール・ガガ”を後にしようとしていたトキ、淳子さんからいきなり、
“今夜、もう遅いから、よかったら二人でココに泊まってね”
語尾にハートマークが見える…そんな感じで、アタシに一枚のメモをくれた。
“このホテルに行って、あたしの名前を言えば大丈夫だから。あたしから、二人へのお祝いだから、返さないでね。いい?わかった?”
―――――淳子さんに言われた通り、メモを持って、目的地のホテルへ。
そのホテルとは、JR仙台駅西口に直結しているJR系列のホテル。
仙台でも、高級ホテルとして名高いトコ。
フロントで、淳子さんの名前を言うと、“水嶋様と大友様でございますね。お待ちいたしておりました。松尾様からご予約頂いております”と、この部屋を案内された。
そこは、最上階・20階にあるスイートルーム。
部屋の扉を開けると、スイートならではの広々とした空間。
白を基調とした壁。
ダブルベッドのスペースには、アクセントのようなダークブラウンのフローリング。
ベッドスペースからワンステップ下がったところには、明るいブラウンの絨毯。そこには、絨毯の色と合わせた二人がけのソファにスツール、アクセントのダークブラウンのローテーブルが置かれてある。
そして、大きく縁取られた窓からは、仙台の夜景の光が、間接的に差し込んでくる………。
モダンで………大人の空間ってカンジ………。
まだまだおこちゃまにアタシにはなんか不相応な気がしてならない。
もったいない………。



