「ノブと………あ、いや。元カレとヨリを戻したいとかそーゆーんじゃなくて………。何て言うかその………」
アタシは、上手くコトバにできなかった。
「これからの自分の為に、ハッキリさせなきゃいけないんじゃない?」
淳子さんは、そう問い掛けてきた。
ブラウンベージュのネイルが似合う、しなやかな人差し指と中指にはセブンスター。
ゆらゆらと、揺れる煙。
次に話すコトバを探しながらも、“あのタバコは今の自分に似ている”と、よそゴトを考えてしまっていた。
よそゴト考えてないと、またボロボロ泣いちゃいそうで。
アタシって、こんなに弱かったっけ?
プロポーズされて幸せなハズなのに。
元カレがどう変わったって、アタシには何のカンケーもないのに。
なんでかな?
ココロが、充たされていないから?
充たされていないから、アタシは、タバコなんて吸うようになったのかな?
以前まで吸わなかったタバコ。
タバコの煙なんて、“大”が付くほどキライだったのに。
ノブと再会した、あの日から。
彼を纏っていた、メンソールのマールボロの残り香が、ずっとアタシの中で燻ってて。
コンビニで、ノブと同じ銘柄のタバコ買って。
生まれて初めて、吸った。
“大”が付くほどタバコがキライなシンはまだ、知らない。



