―――――茉莉子とハルヒ。
二人の出逢いは、彼女がバイトしていたコンビニで。
そのコンビニってのが、一昨年の夏、バイトの帰りに茉莉子とぶつかった場所。さっきハルヒと待ち合わせした………あのファミマだと教えられた。
当時、茉莉子は高3。
その後偶然、新聞配達している朝、道路工事の交通整理をしていた夜と、彼女の必死に働く姿を何度か見かけるように。
ある日、茉莉子のバイト休憩時間を利用し“随分あちこちで働いているようだけど?”と、ハルヒが彼女に訊いた。
それが初めての会話だったそう。
“あたし、教師になりたい。勉強って、公式や名称を詰め込みだけではその場凌ぎって言うの?その時しか覚えなかったりするじゃない?そうじゃなくて、答えを出すための“過程”を教えられる教師になりたい。答えは一つじゃないって事を教えたい………”
教師を志していた彼女は、大学受験を控えていたのにも拘わらず、入学資金を貯める為、朝は新聞配達、学校が終わったらコンビニ、夜は道路や地下鉄工事の整理員をしていた。
その後、茉莉子は玉大の教育学部に入学。
しかも担任はハルヒ。
ここでまた、二人は再会する。
茉莉子が玉大を選んだ理由は、“教育の玉大で、教育の基礎を学びたい”
それだけの理由だったそう。
彼女の成績は東大に余裕で入れるほどの学力だったらしいが、それを蹴ってまで、入りたかった大学。
何か、茉莉子らしいな………。
もう、この頃からちゃんと目標持ってたんだな………。
高校の時から将来の目標が明確なヤツって、殆どいない。
大学に入ってからの茉莉子は、サークルも入りつつ、高校時代同様バイトに明け暮れていた。
「―――――まり………いや、奥さんは目標通り、教師になったんですか?」
無意識に、俺の口から勝手に言葉が出た。



