“ボンッ!!!”
核爆発のような重低音が一回、体内を一瞬突き破る。
…ドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクッ……………
間もなく心臓がバクつき始め、身体が動揺で微動する。
何だ?この心臓の音は?
身体のパーツ全てが耳になったように、心臓の音が五月蝿(うるさ)く跳ねる。
ドクドクドクドクドクッ……………って喧(やかま)しいすぎるって!!
俺はその動揺を悟られないように、ジャスミンティを流し込む。
自分的に、かなり挙動不審。
それにしても、きっつい香り。
しかも、にげぇし………。
「―――――いつだかマリコに、村越の事を話したんだよ。そしたら暫くして急に、『あたしがこのコを変えてみせる』って言ってきてさ。あん時は流石に驚いたよ。俺は9月にアメリカの大学行きが決まってたから、全てマリコに任せっきりだったけど………。俺が日本に戻ってきたらお前、スタイルも中身も、まるっきり全然違う人間になって―――――」
どういうことなんだ?
何で、ハルヒの口から“マリコ”の名前だけじゃない。
まるで、二人が俺の事を―――――まさか
「―――――あれ?何も聞いてない?」
チラッと俺の方を見て、“何だ…そっか”と、呟く。
そして、屈託のない笑顔を振り巻き、またフロントグラスへと視界を移した彼が、ゆっくりと唇を開く。
「村越お前、“マリコ”の名前は知ってるだろう?“茉莉子”は、俺の妻だよ」



