玉大は、クラス担任制を採用している珍しい大学。
彼は、俺のクラスの担任だったが、俺が大学3年の9月から卒業式間際まで、アメリカへ研修へ行っていた。
大学の教授とか言うと、堅物で放任主義者で…ってのが多い中、彼は誰に対しても優しく、いつも全力。
イマドキ珍しい“熱血”タイプだった。
俺は最初、その無駄な熱さがイヤだった。
でも、茉莉子と出逢って、考え方が変わったのか、彼の熱血振りが少し解ってきた。
そんな彼と、卒業式以来約半月振りの再会に、俺は驚いた。
―――――結局俺は、プロフェッサー春日の押しに負け、彼の車で東京駅まで乗せて貰うことになった。
大家へ鍵を返し、挨拶を済ませると、俺は荷物を肩に掛け、約束のファミマへ行く。
このコンビニ―――――。
真夏の夜、バイトの帰りに茉莉子とぶつかって………。
口論になるわ、ケータイのメモリ消されるわ、“勉強教えてあげるから”と多摩図書館で待ち合わせの約束させられるわ………。
蘇る、あの夏の記憶―――――
思い出したら、何だか胸の奥がくすぐったくなって、顔が自然と綻(ほころ)ぶ。
「村越~!こっち!」
ちょうど店から出てきたのか。
入口前には、ファミマの袋を上げて、プロフェッサー春日が屈託のない笑顔で手を振る。



