ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】




凍てついた無言の空間に、ふうわりと花が咲いたような声。
“感謝したい………”って………。


ホント言うと、俺はこの町が嫌いだった。

こんなちっぽけな、何もない田舎町で生まれ育った事を恨んでいた。

俺自身、小さい頃からパッとしなくて、成績も特別いいわけでもなく、スポーツ万能ってほどでもなく。


高校で自分を変えてやろうと、まずは髪型やピアス、タバコ、バイク…と、カタチから偽の自分を作り上げてきた。


すると次第に女たちが寄り始めてきた。

それをいいことに、色んな女との快楽を手に入れた。
茉莉子と出逢った日に言われた“媾合”ってヤツ。


部活と、バイトと、女と。
空虚感は何処かにあったけど、知らないふりして過ごしてた。


この町にいても、自分の刺激になるものがないと感じた俺。
将来の事も夢も考えずに、二度と戻らない覚悟でこの町を捨て、東京の大学へ。


親のスネ囓って、好き勝手やって。
充たされない気持ちをカラダで埋めようと、女と戯れてばかりの自堕落な生活して。




―――――結局、大学行っても高校時代と同じ事の繰り返しだった。



茉莉子に逢うまでは……………。