―――――茉莉子へのお礼が浮かばないまま、大学生活最後の12月が来た。


プレゼント、クリスマスまでには間に合わせたいが………。


卒論もほぼ終わり、後は卒業式を待つのみ。
バイトも後僅か。シフトもいつもより多く入れる。

バイト先の店長から、新店舗の店長にって、俺を推薦してくれた。
すげぇ嬉しかったが、断らざるを得なかった。

少し前の俺だったら、なかった話。

人の感謝が、身に染みる。


バイトで結構稼いだから、ブランドもんとかのバッグやアクセとか買えそうだな。
真夜中、タバコふかしながら財布の中身を勘定。

茉莉子の喜ぶ顔を想像していたら、通じたのか、バイブと同時に、ケータイのサブディスプレイに浮かび上がる“マリコ”の文字。