母校・多賀城高校で三週間の教育実習。
茉莉子の教え方がよかったお陰で、生徒から“社会(俺の専門課程)の楽しさが解った”と喜んでくれた。
放課後はよく生徒たちとあれこれ新旧多校話とかして………。
数年前は自分もこんなだったかな?
いや、俺はもっと飾り立てていて、高校時代は素直じゃなかった………。
なんてセンチメンタルな気分になってみたり。
あっと言う間のひとときだった。
この短い期間だったけど、生徒からも色々教わった。
教師は教えるだけではない。生徒から学ぶ事の方が多い………そう実感。
“教える楽しさ”と“生徒との繋がり”がこんなにも心地よい事とは知らなかった。
茉莉子に言われ、適当に“教師になる”って言っちゃったのがケガの功名?
“教師って奥が深いかも…俺、やってみたい”
そう、強く思うようになり、俺の進路は決まった。
やる気を出させてくれて、尖ってた俺をここまで導いてくれた茉莉子に感謝感激雨アラレ。
………ここまで、ありがとう。
後は来年度の採用試験にパスしない限りは就職浪人。
ここまで俺なりになんとかやってきたから悔いはない。
悔いはないけど………。
やはりここは、約束通り一回でパスしたい。
茉莉子に俺から、最後の恩返しをしたい。
採用試験は、地元・宮城県一本を受験する事に決め、試験に臨んだ。
一次試験当日の朝、茉莉子から、メールが届く。
“ノブなら大丈夫だから。自信持って。”
俺は、そのお守りのフレーズを、そっとバッグに忍ばせた。
消えないように、保護かけて………。
結果は、一次、二次共に見事合格した。



