「要するに。あたしが言いたいのは、“柔軟性”を持って欲しいの。『人に教える』立場になるならば尚更。勿論、問題に応じて答えが一つってのを求められることもあるだろうけど」
「は………はぁ」
「………勉強って、公式や名称を詰め込みだけでは本当に理解したとは言えないと思う。その場限りって言うの?そうじゃなくて、答えを出すための“過程”の方が大事って言うか………」
「……………」
「もし、ノブが真剣に教師になりたいならば、教科書に載っていることだけ教えるんじゃなくて、『どうしてこの答えになるのか』、『この答えになるのにはどうしたらいいのか』っトコをきちんと教えられる、頭の柔らかい先生になって欲しいなって………」
何となくだけど、茉莉子の言いたい事が理解(わか)った………気がする。
それは勉強だけではない。
アイデアにせよ、指南するにせよ、生き方にせよ。
確かに必要だよな………柔軟性。
俺、答えが一つしかないって言い張って………バカ。
「………あはっ、そんな辛気臭い顔しないでよ。ごめんね………訳わかんない事言って」
「…………いや………何となくだけど………解った………」
頭の柔軟性とは、多分、心にも繋がる事に通じている事―――――。
心も柔らかく………かな。
俺はそう勝手に解釈した。



