それにしても、茉莉子をこんな風にしたのは俺のせいだ。
パイプ椅子に寄りかかり、項垂れた俺。
「………茉莉子、ゴメンな……………。本当にゴメン………」
今の、俺の、精一杯の気持ちを言葉にすると、ゴミ屑みたいにしか聞こえなくて、情けない。
茉莉子は首を横にゆっくり、2回振って、
「……………ありがと………。こうなったのは、あたしが………ノブに酷いこと言った罰だよ。ノブ………ゴメンね………」
力なく呟き、点滴している左手をそっと、俺の手に重ねた。
柔らかく、しなやかな。
円を描くような温もり。
雨に射たれていたあの刺すような冷たさは、消えていた。
顔を上げると、茉莉子の目にはひとすじの涙が頬を伝っていた。



