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「……………あ、目が覚めたか?」
「……………ノ…ブ?………あれ?あたし………」
「あ、動かなくていい、寝てろ」
身体を起こそうとした茉莉子を止め、また横にさせ、掛け布団を直す。
彼女の左腕には点滴の針。
点滴のお陰からか、頬や唇の色に赤みが差してきた。
「気がついてよかったですね。熱がまだありますので、今夜一晩、入院して、明日は体調をみて…ということにしましょう」
俺は深々と頭を下げた後、“では、お大事に…”と、担当医は言葉を残し、病室を後にした。
それにしても、助かった………。
茉莉子が倒れた後、たまたま通りかかった車を止め、近くにある病院を訊いた。
ドライバーは、抱きかかえられた茉莉子の姿を見て、
“病院、この近くだから乗せてってやるよ”と、乗せてもらった。
都立多摩図書館から、500メートル離れたところの大きな病院。
処置から2時間強。
彼女がようやく目を覚ました。



