「あ………」
「あ…じゃねぇよ、おい!びしょ濡れじゃねぇかよ!!」
俺は茉莉子の両肩を掴む。
華奢な身体は、冷たくなっていた。
傘も差さずに………。
「………ノブは遅くなっても、必ず来ると思ってた………」
「え………?」
茉莉子は、雨に濡れた重い前髪を掻き分け、俺に微笑む。
「………俺、だって約束破った―――――」
「本当のノブは………本気で………ウソつい…たり………騙したりする人じゃないって………信じてた………か、ら………」
俺の言葉を遮るように話した後、茉莉子は、俺に崩れるようにもたれかかり……意識を失った。
「茉莉子!おいっ!茉莉子!」



