ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】




翌日―――――――

朝から燦々と降り注ぐ太陽。
突き抜けるような青空をバックに、隆々とした入道雲が東京の空を覆う。


暑い……………。

カーテンの僅かな隙間から、光の帯が差し込んでくる。
そこから灼熱のシャワーが降り注がれ、暑くて寝ていられなくなる。


とにかく暑い………。
寝ていられない………。

ベッドの横にある小さなローテーブル。
そこに置いてた目覚まし時計に目をやると、アナログの文字盤は10時を示していた。


“じゃあ明日、午前10時に都立多摩図書館の前に集合。筆記用具忘れないでね。待ってるから―――――――”



昨夜の茉莉子からの約束。


「………どうせ、昨夜の出来事は夢なんだから………」


そう独り言を呟きつつ、時計の隣で充電してたケータイを手探りで充電器から外し、ベッドで横になりながら、ケータイを開く。


着信はない。


電話帳のキーを押す。

画面を見て、愕然とする。


「……………正夢かよ」


電話帳には、“茉莉子”の名前だけ。

昨夜の出来事は夢じゃなかったと、改めて思い知らされた。


「しかしなんで、都立多摩図書館なんだよ………」


俺の住むアパートは町田市。

待ち合わせ場所の都立多摩図書館は立川市。


電車だと、JR横浜線を八王子経由で中央線に乗り換え1時間ちょい。
車やバイクで行ってもやっぱり1時間近くかかる。


「………あいつが勝手に決めたことだし」


時計の針は10時を回ったが、俺は着替えもせず、急ぎもせず、焦りもせず。

タバコを銜え、火を点けた。