「………バカにすんなよ………。俺にだって、夢とか目標ぐらいあるっつーの」
茉莉子の腕を掴んだものの………。
何?目標なんてまだ無いのに、何言っちゃってんの俺?
「村越敦裕の夢とか目標って何?」
挑戦的な表情で、顔を覗き込んできて、一瞬、ドキッとした。
あまりにも妖艶な茉莉子の瞳に、吸い込まれそうになる。
おっと、いけない!!
いい女を見ると、つい………。
やべぇ、何て言おう………。
「教師………」
焦った挙げ句に出た言葉だった。
一瞬………間があった。
かと思ったらいきなり、けたたましい笑い声。
「アハハハハハハハハ………耳にピアス、髪はブリーチ、それで教育者?ま、そーいうのもありかもね」
お腹抱えて、茉莉子が嗤(わら)う。
何だよもぉーっ!!
ムカつくっ!!
「見た目なんていくらでも直せるだろ?」
「じゃあ、序(つい)でにその女癖も直したら?まずは今のままでは教師どころか卒業だって危ないんじゃない?」
別な意味でドキッとした。
女とバイトに溺れてて、まともに講義に出ていなかったから、このまま中退するしかないか…とも考えていたから。



