「………そうだね。意外………だった。わかんなかったよ?」
ウソ。
ウソウソ。
咄嗟に何言ってんの?
こんなウソついたって、見透かされてるだろうし。
ノブは、焦り気味のアタシを3秒くらい直視した。
………どうも、調子が狂う。
栞とチャコとの会話のせいにしたくはないが、強(あなが)ち間違いではない………と思う。
気持ちを悟られないよう、アタシはストローでシャカシャカと。マキアートの生クリームを混ぜる。
「………だよなー。俺、実は中学ン時は瓶底メガネみてぇなのしててさ………。お陰で全くモテなくて、女子から相手にされなかったんだ。で、高校入学前の春休み。これじゃあマズいって思って『高校デビュー』?って言うの?自分を良く見せようと、まずメガネやめてコンタクトにして、髪型も服装も流行を常にチェックしてて………。そしたら入学してすぐ、女子に言い寄られるようになって、彼女できて。浮かれて、自惚れて………。それも大学入って暫く続いて………」
あははって、また彼が笑うケド。
笑えないって。
「………」
「まったく、いい気になってた俺………。自分だけが満たされる…その事だけしか考えてなかった。茉莉子と逢うまでは………」
“はぁ………”
地に潜るような深い溜息と共に、ノブの表情に暗雲が漂う。
“マリコ”………。
ノブの大切、な、人。
きっと、そんな気がする………。



