ノブは少し首を下げ、俯く。
“んで…”と、躊躇(ためら)いがちに続けて語った。
「………これと言って、夢も目標もなかった俺は、高校ン時同様、女といることで、女と“すること”で、心も身体も満たす…そんな生活をしてた。女が好みそうな服装とか、髪型とか、バイクも車も免許取って、後はタバコとか。それなりに気ィ遣ってたからか、即、女が言い寄ってきて。それをいいことに、女を取っ替え引っ替えしてた………。飽きたら捨て、また次の女…って」
レンズにゴミが付いたのか、ノブはかけてたメガネを一度外し、“ふっ!”と、息を強く吹きかけ、ゴミが取れたのかまたかけ直す。
決して似合わないワケではない。
でもまだアタシには、メガネ姿のノブに違和感を覚える。
そして、彼の少し不自然な仕草。
もしかしたら緊張しているのかもしれない。
自分のこんな恥を曝(さら)すような話、するんだから………。
「高校ン時はコンタクトにしてたから、俺のメガネ姿って見慣れないよな?」
今まさに、思っていたことだったから、ドキッとした………。
お互いにココロを読み当てているのは、何故だろう?



