「衣理………」 溜息混じりに、栞がアタシの名前を呟き、玄米茶を一口啜る。 “はぁ………っ”と、また深い溜息。 その後、軽く呼吸を整え、ゆっくり口を開いた。 「衣理」 「………ん………?」 アタシは微かな涙声で返す。 「このままホントに結婚するつもり?」 栞の細い針のようなコトバは、いとも簡単にアタシの胸を貫いた。 “胸が痛い”と言うより、胸をえぐられた感じだった。