「いらっしゃい!」
威勢のいい声が店内いっぱいに響き渡る。
暖簾を潜り、辺りを見渡し………あ、シゲさんがいたいた。
入口から一番遠い、奥のカウンター席から手を振るシゲさん。
「先生すいません、待たせてしまって」
「いいえ。私もちょっと前に来たばかりですから」
今は一緒に仕事しているからだけど、それまではシゲさんではなく“山路先生”と呼んでいた。
「じゃあ水嶋さんも来たことですし、まずはビールでも頼みましょうか?」
「あ、ハイ」
「すいません!生2つお願いします」
「はい、畏まりました!」
シゲさん、すかさずビールをオーダー。
「しかしよかったですね~国金の融資審査通って」
「いや~ホッとしました。自己資金足りなくてダメかな…とか思っていたのですが…安心しました」
おしぼりで手を拭きながら、話し出すシゲさん。
俺は話しながら、スーツのジャケットを脱いで椅子に軽く掛け、椅子に腰を下ろした。



