「―――――水嶋のお祖父さんが仙台の議員とはね……私も初めて聞きましたよ。水嶋家は政治から教育から躾から………何だか、大企業の社長以上にもの凄い家柄なんですね………」
「あれ?じいさんの事、シゲさんに話してなかったでしたっけ?」
「いや、初耳」
ま、じいさん若いうちに政治の道に入り、世代交代を考え早々と政界から退いてたから、俺も別に話す程でもないと思って言わなかったしな………。
でも、シゲさんには話してたかと思っていたが………意外。
「………じゃあ、お祖父さんが亡くなったから結納は………」
「―――――そんな訳で、お互いの家族の顔合わせはしたものの、直後にじいさんが亡くなったということで、婚約の件は、一周忌明けてからということになったんです………」
「そうでしょうね………」
“うんうん”と、軽く二度頷くシゲさん。
またグラスの底を覗くように、ぼんやりと見詰めていた。
「―――――水嶋、何か違うの頼みますか?」



