ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】


「越後屋~お前も悪じゃのぉ~。よし、その褒美と言っては何だが、これをお主に差し上げよう」



俺は、コートのポケットを探る。


エリは、不思議そうな顔で、ポケットに手を入れた俺の左手の行方を見詰めていた。


「では、これは有り難く戴くぞ」

コーヒーを右手で受け取り、そのままコートの右ポケットに納めた。


そして、左のポケットから出したものを、越後屋・エリの両手に差し出し、彼女の両手の上に、俺の両手を載せ、覆い隠すように包む。


「越後屋、お主にこれやる。………ワシも今はこれしかない。勘弁してくれ」


「ははっ!有り難く頂戴致します!」

………お互い、随分ノリノリだな。

俺は両手をそっと離す。

越後屋は、包まれた両手をゆっくり広げた。

そこには

リボンがかけられた、薄いターコイズ・ブルーの小さい箱。

「………これは………」

越後屋の瞳が、青い箱を見た瞬間、大きくなったのがわかった。