「この人!いきなりアタシの膝に―――――」

俺を指差し、罵ろうとした途中、エリの言葉が止まった………。



「―――――シン……………え~~~っ!!!!!!!!………ちょっ、ちょっと、どーしてぇ?……」

エリは腰砕けになり、ヘタっと完全にしゃがみ込んでしまった。
驚いた反動からか、彼女は半分、涙目になっていた。

「あ………ゴメン………ちょっとしたイタズラ心というか、その……ちょいと驚かそうとしたら………まさかこんなに驚くなんて………ゴメン、エリ………」


「驚かさないでよ………心臓止まるかと思った………」

「ゴメン………」


「あの………お客様…………」

「何?」
俺は、バイトらしきヤツを見た。


「雑誌…………」

「は?」

「雑誌…………破けてるんですけど………」

「えっ?」

俺を叩いた雑誌は、破れ、折り曲がり、売りもんにならない形になっていた………。