ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】

おとーさんは、挨拶をしながら、深々と頭を下げた。

その頭は、お世辞にも………多くない髪。
脇と後頭部に少し残ってる程度………。

そういえば。

シンと初めて会ったトキ、書いてもらったお客様カルテに、“親父の遺伝でハゲたくない”って。

ヤバッ!笑ってはいけないっ!
左手で太股をつねって、笑いを抑える。

「は……はじめましてっ!お…大友衣理ですっ!!」

アタシも、シンのおとーさんに負けないくらい、深々と頭を下げた。

そのまま少し、下を向いたまま、笑いが治まるのを堪え、待った。





ああ。
思えば。
あのトキの出会いが、今に繋がってるんだよね。



そう考えたら、笑いが治まった。

「真一、今母さん来るから。話はそれからにしようか」

「ああ、いいよ」