ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】

「そんな緊張しなくて大丈夫だから」

「そうは言ってもさぁ……シンは自分の家だからそぉ言うケド…」

上目使いでシンを見る。
と、彼は、緊張で小刻みに震えるアタシの手にそっと、自分の手を重ねた。

シンも緊張して、る………?

温かい彼の手も少し震えていた。


「まあな……俺もエリんち行った時は緊張したけどね。“何言われるんだろう?”って」

「でしょお?ましてやシンのウチは、アタシんチと違ってエリートとゆーか…」

「エリート、エリートって言わない! それ言ったらエリだって、腕一つで食べて行ける立派な美容師。十分エリートだろ?」




「………そぉかな?」
アタシは不安に首を傾げた。

「そうだよ。俺なんかなんもないんだから。でも俺はね、美容師のエリを好きになったんじゃない、好きになったコが、たまたま美容師だった………」

「シン………」

「ウチの家族の学歴とか職業とか、気にしないで。親共がもし、エリをこと悪く言うなら、俺がちゃんと言うから心配すっさんな」

そう言うと、重ねた手を握り、アタシの太股にコンコンと軽く“タ・タ・ター・タン”という少しリズムで叩いた。


“だ・い・じょー・ぶ”?


励ましのサイン、受け取ったよ。
アリガト、シン。