最近、山田こはるの様子が変だ。
いや、変なのは前からだけど。
なんか説明しづらいが兎に角変だ。
「こはる、コーヒー」
「…んー」
「……コーヒー」
「…あー」
「……………コーヒー」
「…うぃー」
「聞いてんのか?」
「んー、はいはい」
いやいやいや、聞いてねぇだろ絶対。
「山田、コーヒー淹れて欲しいんだけど」
「あー、ちょっと待って下さい」
「さっきから待ってるんだけど」
「あーめんどくさいなあ。自分で淹れた方が早いですよ」
ほう、これは反抗期だろうか。
にしては遅すぎるか。
こはるももう18だから普通だと高校三年生だしな。
「…こはる、お前やっぱ学校とか行きたかったか?」
「うるさいな」
「うるさいってお前な、折角俺が心配してやってんのに」
「黙れってば」
「もし今からでも行きたいと思うんなら、どうにかしてやるよ」
「あーもう、しつこいですよ。コーヒーぐらい自分で淹れて下さいってば」
は?こいつ頭弱いのか?
話噛み合ってないことに気付いてねぇのか?
「おい山田、やっぱ話聞いてねぇだろ…」
俺に背中を向ける格好でソファーに寝転がるこはるの顔を覗き込むと原因がわかった。