「シュリ!!」
「絶対に大丈夫だ!! だから、安全なところで待っていろ!!」
「シュリ!!!」
「ユーリ! ユナを連れて後退しろ!!」
シュリはそう言い捨てると、フランとともにカラス天狗の集団に切り込んでいった。
フランの左手から無数に繰り出される水鉄砲。
それでもカラス天狗は怯まない。
シュリの剣が襲いかかるカラス天狗の腕や足を切り落とす。
でも、彼らは闘争本能を剥き出しに、二人に襲いかかっている。
「姫様、早く!!」
「でも……!!」
「ここにいたんじゃ、シュリさんもフランも戦えません!!」
そう言ってあたしの手をとり、ユーリが走った。
足を引っ張るだけで、あたしはなんの役にも立たない。
あたしは剣なんか使えない。
武術なんてのも知らない。
大きな力があるらしいけど、使い方を知らない。
あたし……こんなに無力なの?



