いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~

見上げた先輩の顔。

見たこともないような怖い顔だった。
背中がピリピリするような、ものすごい殺気をシュリに向かって投げている。


あたしは直視できなくて、シュリの背中に隠れた。


あんなに好きだったはずなのに。

あんなにドキドキしていたはずなのに。

会えて、ちょっとうれしかったはずなのに。


すべての先輩への気持ちが凍りついて。


先輩が魔族の王子だって聞いたから?

先輩の背中に変なものがついているから?

先輩が見たこともないような怖い顔をしているから?


それは全部あたりで。
でも、それだけじゃなくて。

「おまえがユナをあきらめないのなら。力づくで排除する!!」

スラリ。

腰の長剣を抜くと、シュリは構えた。


望むところだと言わんばかりに、先輩が鼻先で笑った。

先輩の後ろでソワソワうごめいていたカラス天狗たちが、待っていましたとばかりに急降下してくる。