いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~

変身前と後じゃ、格段に魅力UPしちゃってる。

「でも、なんであんな姿になっちゃったのかな?」

あたしのつぶやきに、隣の奥さんが「力を発揮するためです」と答えてくれた。


「私たち、獣人は常に自分たちの力を抑えて生活しているんです。強い興奮状態に陥ると、その力が外へと出てくるんです。なかでも、女王騎士団の騎士様はその種族の中でトップの力を誇る方々なんです」

「だから女王のSPに任命されるんだねぇ」


この強さなら、納得。

シュリの言葉を疑っていたわけじゃないけど。

フランのやるときはやるっていうのはこういうことだったのね。


ま、不本意ながらお付き合いする羽目になったユーリくんには同情しちゃうけど、人助けは進んでしないとね。


(とにかく、がんばれ、二人とも!!)


そんなあたしの応援が通じたのか?

あたしたちの頭上を埋め尽くすほどいたカラス天狗たちは、今はもう、奥さんの子供を抱えるリーダー格らしいやつだけになっていた。


子供は気を失っているらしく、カラス天狗の腕の中でぐったりとしていた。


「キュエエエエエッッ!!」


カラス天狗が全身を震わせ、大きくいなないた。

その声は鼓膜を破るかのように鋭く、あたしは思わず耳をふさいだ。