中間テストも、期末テストも、進級テストも敵わない。

そんな難敵が襲いかかってる。

「キオクノカイフクキオクノキフクキオクノカイフクゥ?」

呪文のように呟いたって、記憶なんてものが戻ってくるはずもなく……

バタン。

あたしはタウンページみたいに分厚い本の上に突っ伏した。


明らかに日本語じゃない文字の羅列。

それにもかかわらず、あたしの脳みそ、日本語にスムーズ変換。


ああ、自分の脳みそかち割って、できることなら中身見てみたい。


机に突っ伏しながら、あたしは部屋を見回した。

何畳あるのかわからないくらい広い部屋。

取り囲む本棚は隙間なく、さまざまな種類の本で埋め尽くされてる。

ガランとした閲覧室の机の上。

あたしの目の前ってことだけど。

『グラシュビッツランドの建国にまつわる話』
『獅子王ラエルと癒しの一族』

なーんて本が山のように積み上がってる。