門の前に超絶美形。 浅黒く焼けた肌。 漆黒の髪。 シャープなメガネの奥の闇色の瞳。 筋の通った高い鼻。 長身のすらりと伸びた手足。 「ウソ!!」 一瞬。 まばたきするほんの一瞬。 夢の王子様と重なった。 けど、違う。 「黒木せんぱ……い!?」 両手に抱えた真紅のバラの花束。 白い歯をのぞかせてほほ笑むさわやか青年。 それは夢の王子様ではなくて…… あたしの憧れの先輩。 黒木聖吾(くろき せいご)先輩。 その人だった。