なーんで、こんなことになっちゃたんだろう。


すがすがしく晴れ渡る青空を見上げる。

眼下には黄金色の砂が見渡すかぎりに広がっている。

白く輝く日の光に、キラキラまぶしく輝く結晶。


昔、人だったはずの血と肉のなれの果て。


「姫さまぁ? 起きていらっしゃいますかぁ?」

能天気な声が扉の向こうから飛んできた。

それと同時にノックの音が響き、あたしは窓の外を眺めたまま「どうぞ」と短く返事した。

「じゃ、遠慮なくお邪魔しまーす♪」

そう言うと、身持ちの軽そうな青い髪の美青年が入ってきた。

ちょっと垂れ目なナンパな彼の名前はそう。

「フランさん?」

「他人行儀だなぁ、姫さまはぁ。オレのことはぁ、呼び捨てで構わないですってばぁ」

「はぁ……」

「あー! 姫さま、着替えてくださったんですねぇ♪ うーん、かわゆいですぅ。 お似合いですよぉ。 ちなみに、服のサイズはオレの見立てですぅ♪ ジャストサーイズ、でしょ!!」

どんな女性のサイズも見ただけで当てられるんですよぉ……なんて得意げに彼は言ってのけた。