「姫様!」
シュリに踏みつけにされているユーリくんのかすかな声が聞こえて、あたしは我に返る。
「大丈夫だよ、ユーリくん。あたしがみんなを助けるから。シュリもみんなも絶対に助けて見せるから!」
パパ、あたし分かったような気がする。
信じられる心の声があたしにも聞こえた気がするの。
だって、みんなはあたしが守らなくちゃならない家族みたいなものだって思うから。
それを絆って言うんでしょ?
体の芯がカーッと熱くなる。
何かがあたしの中で変ろうとする。
あたしはゆっくりとシュリに向って歩を進める。
「ソレハムリ! オマエハ死ヌンダヨ!」
シュラの声に、トカゲやらカラスやらの下級魔族がこぞってあたしに飛び掛ってこようとした。
けど、体に触れる寸前でその動作がぴたりと止んだ。
「ナンダ? 何ヲヤッテル!」
下級魔族たちが喉を抑え、頭を抱え苦しみながら、バタバタとその場に倒れていく。
その様子はまるで殺虫剤で死んでいく小さな虫のようだ。
あたしはそれを橋のように踏み歩きながら、シュリを見据える。
「姫……様?」



