「ガァハッハッハ! 女王騎士団が形無しだのぉ。どうだ? 取引せんか? 国を渡せば命だけは助けてやるぞ?」
ふんぞり返って見物していた魔王であるちっちゃいおっさんがでしゃばってくる。
取引って口では言ってるけど、絶対に命も助けてくれないに決まってる。
そんな魔王にカレンは「断る」と断固拒否の答えた。
「そんな取引に誰が乗るものですか! おまえのような薄汚い男に国を渡すぐらいなら、ここで戦って果てた方がマシです!」
さっすが、騎士長閣下!
あたしも同感です!!
「ほぉう。では、姫はどうする? 姫にまで殉死を強いるつもりか?」
『殉死』って、よく警察官がなくなったときに使うアレよね?
もっちろん。
って、言いたいとこだけど。
やっぱ、死ぬのは怖いし。
そんな急に覚悟なんてできないよぉ!!
「バカを言うな! 姫様は我らの命を懸けてお守りする!」
よかった。
そうよね。
騎士様たち、お強いもの。
こんなおっさんに負けるわけないって。
「まったく、口だけは達者だのぉ、騎士長カレン。愛しい女子(おなご)も守れなかったおまえに、姫を守れるとは思えんがのぉ……」
愛しい女子って?
誰か亡くなってるの?
話が見えなくなりそうなあたしに、隣に立っていたユーリくんが囁いた。
「実は魔王に蹂躙されたシュリさんの母君であり、先代女王様の影武者だったレンディリーベ様はカレンさんの婚約者だったんですよ、姫様」
「そうなの!」
カレンは魔王を黙って睨みつけていた。
カレンの婚約者は前代女王の影武者レンディリーべさん。
彼女がシュリのお母さんってことは。
シュリはカレンにとっては好きな人の子供ってことになる?



