「クソクソクソがぁ!」

シュラが顔から火が出るほどってくらい、いきり立っていた。

勝ち誇っていた余裕の笑みは消えちゃって、冷静ささえもなくなってる。

目は爛々と輝き、憎しみで満ち溢れてる。


「往生際が悪いぞ、シュラ!」

「シュリ……!」

「紙一枚でも挟まっていたら、キスにはなりません。儀式は無効です。これを機に、諦めていただけませんか?」

カレンはそう言うと、銀色に輝く髪を振り払った。

「カレン! キサマ、はじめからそのつもりで話を持ちかけたのか! この俺様を謀って」

「父親が息子を裏切ると? あなたじゃあるまいし。私はね、はじめから若い二人の恋の成就のために動いていたんです。あなたはその駒の一つ。騙されるあなたがバカなのですよ」

って。

今『恋の成就』のためって言った?

若い二人って。


もしかして、あたし?
じゃ、相手はシュリってこと!?


確かにさ。

あたしはシュリが好きだし、両想いなんて願ったり、叶ったり。

でも『次期女王様』の『お願い事』だから『女王騎士団』が動くってのはどうなの?


間違ってない?