「そうか。
嬉しくて声も出ないんだね。
いやぁ、正直、キミがここまで物わかりのいい子だとは思わなかったよ。
これなら、別に保険をかけておく必要もなかったかなぁ」
保険?
っていうかね。
あたしが声出ないのはテープ貼ってるせいなの!
嬉しいわけないじゃん!
だけど。
これは願ってもない勘違い。
好都合、この上なし。
(よし。このまま押し切ればなんとかなっちゃうかも!)
「では、まいりましょうか、姫?」
腕を組むようにと差しだされ。
内心はかなり拒否反応だけど。
あたしはその腕に、自分の腕をからませた。
迷路のような蟻の巣を抜けて。
結婚式会場である庭園らしき場所へと連れだって歩く。
真っ赤なヴァージンロードは普通のそれと同じだったけど。
教会の高い天井はない。
かわりにあるのは真っ赤な月を掲げたどんより曇り空。
屋外結婚式だったら。
せめてもう少し、キレイな夜空の元がよかったのに。
でも、まあ、これは許せる範疇だよ。
許せないのは。
(なんなのよ! このだみ声コーラスは!?)
聞きなじむ結婚行進曲じゃなくて。
魔族による、魔族のための『国歌斉唱』。
嬉しくて声も出ないんだね。
いやぁ、正直、キミがここまで物わかりのいい子だとは思わなかったよ。
これなら、別に保険をかけておく必要もなかったかなぁ」
保険?
っていうかね。
あたしが声出ないのはテープ貼ってるせいなの!
嬉しいわけないじゃん!
だけど。
これは願ってもない勘違い。
好都合、この上なし。
(よし。このまま押し切ればなんとかなっちゃうかも!)
「では、まいりましょうか、姫?」
腕を組むようにと差しだされ。
内心はかなり拒否反応だけど。
あたしはその腕に、自分の腕をからませた。
迷路のような蟻の巣を抜けて。
結婚式会場である庭園らしき場所へと連れだって歩く。
真っ赤なヴァージンロードは普通のそれと同じだったけど。
教会の高い天井はない。
かわりにあるのは真っ赤な月を掲げたどんより曇り空。
屋外結婚式だったら。
せめてもう少し、キレイな夜空の元がよかったのに。
でも、まあ、これは許せる範疇だよ。
許せないのは。
(なんなのよ! このだみ声コーラスは!?)
聞きなじむ結婚行進曲じゃなくて。
魔族による、魔族のための『国歌斉唱』。



