「オレは。
オレは大丈夫だから。
……行くな」

シュリのレーザービームのように鋭い視線があたしのそれとぶつかる。

あたしも、本当は行きたくない。
このまま、シュリの傍にいたい。

でも、あたしはこうしなくちゃいけないんだと思う。

シュリを助けたいから。
これ以上、シュリを傷つけたくないから。


あたしはシュリの腕に手を重ねた。
シュリの体温があたしの中に入ってくる。

「あたし、シュリのこと信じてるよ」
「……ユナ」
「大丈夫。
あたしを信じて。
そのために、護身用のアイテム、渡したんでしょ?」

シュリはそれでも「行くな」と言った。

「あたし、待ってる。
助けに来てくれるまで、ずっと待ってる」

シュリを信じてる。
シュリがもう一度。
ううん。
なんどだって、あたしを助けに来てくれるって信じてる。

だから、あたしは行くの。
信じてるから、あたしは行くんだよ。

「いつまで、そうしてるんだ?」

シュラの不機嫌な声が飛んでくる。

あたしはくるりと踵を返し、シュラに向かって歩き出す。
スルスルと、シュリの熱い手があたしの腕を離れていく。


それが。
――死ぬほどツライ。