前には見上げるほど高くそびえる異形の扉。
ロダン作『地獄門』ってかんじ。
まるで彫ってもらったみたい。
それとも、ロダン自身がマネしたのかな?
いやいや、ロダンその人がここの出身だったのかも。
「気に入った?」
先輩が嬉しそうにあたしの顔を覗き込んだ。
先輩は、これが好きなのかな?
芸術的には優れていそうだけど。
やっぱり『グロい』。
「父上、シュラ、只今戻りました」
扉の前に向き合った先輩が、そう叫んだ。
すると、地獄門がゆっくりと開き、扉と同じくらい大きな見上げるほどに大きな身の丈をした黒い大入道二人が立っていた。
ロダンの次は鎌倉の『阿吽仁王像』。
親しみやすいって言えば、言えなくもないんだけどね。
「おお、シュラ。そこにおるのは獣人の姫か?」
鼓膜が震えるほどの野太くて、ガラガラした声が奥の方から響いてきた。
あたしは先輩に背中を押されながら、真っ暗な部屋の奥へと進んでいく。
紅蓮の瞳が闇に浮かんでる。
って、怖すぎだよぉ!



