いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~

バックを膝の上に抱え込む。

頭がぐるぐるする。

あたし、パパにちゃんと預けてきたよね?

どうしてこんなとこにもぐりこめるの?

荷物どこ?

動物園から盗んだなんて思われたら?

だめだめだめ!!

それはだめ!!!!

なんとか、うちまで隠し通さなきゃ!!


「そう? それならいいけど……」


眼鏡の奥の瞳がきらりと光る。

先輩、疑ってる!?


「ほほほほほんとに、なーんでもないんです。はははは……」


ウソってバレバレじゃん!!

もうちょっと頑張れよ、あたし!!


「じゃ、あらためて。お誕生日おめでとう。ちょっと、目をつぶってくれる?」

「は?」

「ほら、はやく♪」

「はははははははいっ!!」


バックを押しつぶす勢いで目をつむる。

なんか、手の下から『いたっ!!』って小さな鳴き声が聞こえた気もしたけど。

うさぎが喋るはずないよね?


そ・れ・よ・り。


先輩、目をつむってってなんだろう?

キス?

まさか!?

こんな人前で?

それはだめ!!


ファーストキスはもっと違うところがいい!!


「はい、目を開けていいよ」

「へ?」

耳元で先輩の声がした。