「ほら。言った通りになっただろう? はじめから、この男はこうするつもりだったんだよ、ユナくん。キミの力が戻ったら、ボクにキミを受け渡すって。
ま、一筋縄ではいかない男だけどね。下級の魔族なんて瞬殺するくらいの力は残して、ボクをここに引き入れた。その力のせいで、ボクも力を拘束されてるくらいなんだから」
しかめっ面した先輩の言葉に、カレンは肩をすくめて見せた。
「カレンの手引き? はじめからって? どうしてこんなこと! あたしのこと、騙してたってことなの!?」
問い詰めるように胸倉をつかみかけるあたしの手を、カレンは簡単にすくい上げた。
それからまた、ぐっと胸の中に引き入れると、耳元で囁いた。
「あの子の気持ち、確かめるチャンスです」



