着替えをすませたあたしは今、騎士団員が会議のときによく使う、集会所の円卓に、五人の騎士に囲まれるように座ってる。


「緊急事態と勘違いし、姫様の静止も聞かずに飛び込んだ非礼、お詫び申し上げます」


カレンが沈痛な面持ちで深々と頭を下げる。


「あたしも悪かったから……そのびっくりしちゃって。それに、みんながしたことって、あたしの身を案じてだったんだし。仕方ないかなぁって」

「あー。でも残念ですぅ。せっかく姫さまのお体を拝見できるチャンスだったのにぃ。
オレら全員気絶ですからぁ」

フランの能天気な言葉に、カレンの眉が片方だけ、ぴくりと動いた。

が、その瞬間。


ゴッ!


と鈍い音が響き、フランは頭を抱えた。


「シュリちゃ~ん。不意打ちの暴力はなしぃっ!」

「おまえがくだらんことを言うからだ」

「えー。シュリちゃんだってぇ、見たかったくせにぃ」


ゴッ!


再び、鈍い重低音が響き、フランは頭を抱え、円卓に伏せる。