「キミはやつらに騙されているんだよ」
あたしが?
シュリに?
「キミが次期女王だと知って。キミの力を利用しようとしているんだよ」
それは間違いない。
だって、『国を救って』もらいたいんだもん。
「あいつらは、ボクらを全滅させたいんだ。戦争の道具にキミはさせられる。
知っているんだろう? ラエルの『癒しの力』を」
黒い羽根が……煙になって消えちゃったこと?
「キミはきっと眠っている力を無理やりに起こされるんだ。そして、そのときこそ、キミは殺人者にされるんだよ。そんなこと、ボクはキミにさせたくないんだ」
サツジンシャ!?
「一緒に行こう。ボクはキミの力じゃなくて……キミ自身が必要なんだから!!」
頭の中で先輩の声が、心地よくこだまする。
そうよ。
先輩と行けばいい。
だって、この人は『あたし』が必要なんだから。
そう。
このままこの人と。
目が開けていられないくらい重い。
先輩の姿がかすんで見える。
先輩が手を差し伸べている。
この手をとってって。
でも……なんで先輩、笑ってるの?



