例の寿司屋に行った。

そぅ、そこは値段書きのない寿司屋。

佐々木は次から次へと、美味しそうに寿司を頬張っていく。

あなたの気持ち良さそうな横顔見てるだけで、それだけで私は幸せ……。

3日振りだね、それまで毎日会っていたから、朝も昼も夜も夜中も…ずっとあなたと一緒だったから、この3日の随分長かった事……。

私は嬉しさのあまり、アルコールという液体は喉に流れていったが、魚や米のような固体は喉を通らなかった。

ここを出たら、ホテルに直行したかった。

そうなると思ってた。

なのに…佐々木は、私をパチンコ屋へ連れて行った。

寿司屋でゆっくりしてたから、パチンコ屋閉店まで、もうそんなに時間がなかったのに、それなのに、いつも通り、私は軍資金と称してあなたに3万円渡す。

この頃、紙幣と紙の区別がつかなくなってきていた。

でも、どうって事はない。

私と佐々木の間に、値段書きは存在しない。

2時間足らずの間、佐々木は一度も大当たりしなかった。

私も同じく、今日は勝負運の悪い日…そぅ、運が悪かっただけの話。

 パチンコ屋を出た。

 これからが夢の国。