●佐々木仁●

イーグルがバージンだったとは、この世のサプライズだ!

まさかのまさか! あの歳だ、少なくとも一人ぐらいは経験があると思っていた。

さて…これからどうするか?

あまりに金を引き出しても、後が恐いし…でも…あまりにも美味し過ぎるし……。

ここは、リスクぎりぎりの線まで、やってみる価値はありそうだ。

「佐々木君、これから、二人の時は…ひなこって呼んで……」

ってか…ひなこか…お前は雛鳥じゃねぇよ、俺の金の鷲、イーグルさ…って言っても、何の事だか、お前にはわかるまい。

俺は、この世で一番甘い声で囁く。

イーグルの耳朶に…

「ひなこ、愛してるよ」

あれから2日後、またパチンコに行きたいと言うので、連れて行ってやった。

台の横の玉貸器に、もう自分で現金を入れるようになり、要領も掴んだみたいだった。

俺が隣でコーチしなくても大丈夫になった。

勝ったら返すとの約束で、俺はイーグルから3万円受け取った。

最終トータル、俺は1万弱プラスになり、イーグルは一回も大当たりせずに、約3万円のマイナスとなった。

が、たかが3万円ぐらい、と平気な面をしてやがる。