●吉田ひなこ●

  私は恋におちた。

  今恋をしている。

それも独りよがりの片思いじゃなく、相手も私の事を思っている……とは、まだ確かじゃないけど、打てば響く…いい感じに進んでる事だけは…紛れもなく事実だ。

あまりにもゆっくりと、遅く来た恋だけど、御内裏様に御雛様……そこでしっかり見ていてね。

生まれて初めてデートした。

 一回目…頬にキス。

 二回目ディープキス。

 三回目何もなかった。

今日は一軒目だけでサヨナラした。

友達の用って言ってたけど、その友達って…同性?それとも女性?

彼女はいるの?いないの?

思い巡らすのは佐々木の事ばかり……。

四回目の誘いを、心待ちにしながら、私は淡々と、仕事をこなしていった。

佐々木とは毎日、店で顔を合わしている。

佐々木の態度は、いつも変わりなく、優しく甘かった。

   でもなぜ?

三回目のデートから、もう一週間も過ぎたのに、デートに誘ってくれない。

面白くない、色気もない、退屈な私を嫌になったの?

それとも…彼女との付き合いに忙しいの?

私は、我慢出来なくなった。