●吉田ひなこ●

知らなかったわ…佐々木が野田の紹介でファミレスに入ってたなんて……。

履歴書見るまでもなく、野田は佐々木の家に行った事もあるって言ってた。

何で?どんな関係だったの? まさか?

とにかく会おう…家に連れて行ってあげるわ…と野田が言った。

あれから佐々木の携帯がおかしい…電話しても…番号お確かめの上おかけ直し? メールしても相手先に届かない…何で?番号変えた?

突然、私が家を訪ねたら、あなたはどんな顔するの?

恐い…嫌な顔されるのが恐い…。

でも会いたい…と言うより会わなきゃならない理由があるのよ。

お腹に来たあなたの精子、確実に一秒一秒成長しているの。

哀しい事に…私の身体に入って来た精子はあなたが初めて…他の男なんて受けた事がない。

これは切なく心痛む事実……。


野田の仕事が終わった時間に、喫茶店で待ち合わせした。

「店長、お久し振りです。また、さらに痩せたんじゃないですか?」

「そう見えるの?体重なんて暫く計ってないからわかんないけど」

「綺麗になりましたよ、本当に…」

私が綺麗に?

外見どれだけ綺麗に見えたって…内面はぼろぼろよ……。