とにかく、佐々木に連絡とらなくてはいけない。

あの男は、どう受けとめるんだろう。

慌てふためいた後…嫌な顔するの?

それとも喜ぶ顔?

まさか、それだけは想像出来なかった。

何はともあれ伝えなくては……。

心に少し意地悪な感情も芽生えた。

どう責任とってくれるのよ! と、この事実を突き付け、凝らしめてやりたい気持ちもあった。

でも…それよりも…本当は…本当は…喜ぶ顔なんか見えなくたって…観念して…諦めて…この状況を受け止めて欲しかった。

佐々木に電話した。

留守電応答だった。


「佐々木君、大事な話があるから電話ちょうだい」

いくら待っても電話はなかった。

メール入れても、返信がない。

電話やメールで、妊娠の事は言いたくなかった。

何でかって…相手に考える余裕を与えたくなかったし、それに、もしも嫌がって、一切連絡してこなくなるのが恐かった。

再度電話で、連絡くれるように伝言入れた。

メールも…それから何度も電話もメールも………。

待てど暮らせど…どんなに待っても、佐々木からの連絡はなかった。