でも、オーナー川本には頭に来た。

人の恋心を仕事に利用するなんて、最低!許さない! こんな店やめてやる!

キャバクラは入れ替わり立ち替わり、次々とオープンしてはクローズしたりして激しい。

私はそれから…条件のいいとこ、いいとこに移り変わり、この「ハリウッド」は、5件目の店だった。

働く店は変わっても…翔に対する思いは変わらない。

どんな経験してこようが…何歳であろうが…状況がどうであろうが…恋する気持ちは皆同じ…原始時代でもアトムの時代になっても…多分変わらないと思う。

私は…おばあちゃん思いの健気で可哀想な孫を演じ、翔に会う為の金を、せっせ、せっせと稼ぎ続けるの……。